理系大学生の英語学習日記

データや数値を使って定量的で分かり易い勉強法の紹介をしています.それ以外にも旅行や英会話サークルの活動など雑多な記事を書いています

英語多読の効果とやり方

こんにちは、Manonです

記念すべき第一回目の記事は英語多読の効果とやり方について話をしようと思います

 

多読とは

多読とは読んで字のごとくたくさんの文字を読むことです。

言語学習では比較的メジャーな手法ですが、日本のTOEIC学習者の間ではあまりポピュラーな勉強方法ではありません。手っ取り早くTOEICの点数を上げるには少し回りくどい勉強方法だからです。ですが、言語を習得するという観点から言えば間違いなく最も効率の良い勉強法の一つだと断言します。その理由ややり方、効果について説明します。

 

多読が言語の習得に最も効率が良い理由

多読は言語の習得に最も効率の良い勉強法の一つであると表現しましたが、その理由を一言で表現すると、私達日本人も日本語の習得を多読で行ってきたからです。赤ちゃんは初めは文字を読むことが出来ないため音から言語を学びますが、その後幼稚園・小学校と大きくなるにつれて絵本や学校の教科書、日常生活の中で大量の文字を読むことで自然と言語を習得してきました。私達が普段文法を強く意識していなくても外国人の書いた間違った日本語の文章に気が付いて訂正が出来るのは紛れもなくこれまでの人生で大量の日本語の文章を読んできたからなのです。また、『WPM (Words Per Minute)』という1分間にどれだけ単語が読めるかという指標があるのですが、多読を続けると『WPM』が特に意識していなくても上昇します。この『WPM』が読解だけでなく語学学習全体において相当大切な役割を担っているのでそれも併せて説明します。

 

『WPM』はリスニングに密接に関わってる!

先程、『WPM』は1分間にどれだけの単語が読めるかと言いましたが、文字を読むだけでなくリスニングにも重要な指標なのです。どういうことかと言うと、文字を読む速度というのは言い換えれば「脳が文字の並びを意味を伴って処理出来る速度」です。人間ただ文字を読むだけなら本来もっと早く読むことが出来るのです。ですがそれではなんの意味もないので、文字の並びを脳で処理して文字列から意味を取得します。その文字を脳の中で噛み砕いて意味を理解するのにかかる時間が『WPM』となって現れるのです。つまり、TOEICテストなどでリスニングが速くて聞き取れない人は話し手の英語に脳の処理速度が追い付いていないのです。もちろん、そもそも単語を知らない、語と語が繋がって音が変化するリエゾンが聞き取れないなどの原因はありますが、TOEICやネイティブとの会話で聞き取れない人のほとんどの原因が脳の処理速度が足りていないことが原因なように感じます。つまり、多読をすることは文法&語法・単語・リスニング全てに効果がある非常にコスパの高い勉強方法なのです。

 

多読のやり方

多読の学習効果の高さは分かって頂けたと思うので、今度はその効果的なやり方を紹介したいと思います。ひとまずの目標としては30万語程度を目標にすると良いと思います。

  • 内容に興味があるものを読む
  • 返り読みをしない
  • 分からない単語はその前後から類推する

 

まず、一番に挙げた「内容に興味があるものを読む」ですが、個人的にこれが一番大切です。語彙を制限した児童向けの本が多読界隈では有名でこれは私も最初は使わざるを得ないと考えているのですが、なにしろ児童向けの本は内容が全然面白くない笑

全然面白くない本を読まなくてはいけないというのは受験勉強のようなただの辛い勉強になってしまい本当に続きません。語彙レベルが低くかつ面白い本を求めていろんな本を買い漁ってお金を浪費してきたのでオススメの多読本の記事をいつか書こうと思います。

二番目は「返り読みをしない」です。中学校高校の英語の授業で英語は逆から読むといいと教えられたかもしれないのですが、それは英語が苦手な学生に日本語の語順で英語を理解するために英語教師達が編み出した苦肉の策なので、ネイティブ達はそんなことはしていませんし文字を読むのが遅くなってしまうのでオススメできません。(日本の英語教師も英語が嫌いな学生に分かり易く英語を教えるためにいろいろ頑張っているので責めないであげてください)

最後は「分からない単語はその前後から類推する」ですが、これは単に毎回辞書を引いていたら読むのが全然楽しくなくなってしまうからです。他のサイトで絶対辞書を使わないように!という内容のことを言っている方がいますが、私は辞書を引きたかったら引いてもいいと思っています。普段は辞書を引かずに類推して「この単語よく出てくるなぁ」と思ったらスマホでさっと調べるくらいの方が正しく新しい単語も増やせるので良いと思っています。

 

実際に多読をやってみた

ここまで多読はこれだけ素晴らしいと力説してきましたが、理系なので数値と共にその効果を紹介したいと思います。残念ながらサンプリング数は1(私のみ)なので理系のみなさんは嫌がるかもしれません笑

以下に実際に多読をしてみてWPMがどう変化したか、TOEICの点数はどう変化したかのデータを定量的に示します。

 

読了単語数とWPMの相関

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単語数WPM

 多読を始めた時点での『WPM』は109.2でした、そこから最初の15万語くらいは徐々に処理速度が上がるものの劇的な変化はなく、読んでる本の内容もつまらなかったので苦痛な時期でした。25万語を超えたあたりから文を塊で瞬時にとらえて脳で処理して意味を理解できるような感覚が生まれこの辺りから文章を読むのが楽しくなってきました。

30万語超えた辺りで『WPM』が150を超えるようになり、その時受験したTOEICでは問題を最後まで解き終わることができました。点数は865点(L:450,R:415)でした。

その後1冊7万語の本を読んですぐに『WPM』を測ったところ202でした。

 

読了単語数とTOEICの相関

 

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単語数TOEICスコア

 

 多読を始めた時点でTOEICスコアは550点でした。そこから読んだ単語数とそこそこの相関を持って一次関数的に上昇しているのが分かります。「そこそこ」という全くもって定量的ではない言葉をあえて使うのはTOEICが受けた時の問題の相性・その日の体調などで平気で50点くらい前後する性質をもつテストだからです。

 

結論「言語学習において多読マスト」

これまで多読の必要性や効果、TOEICスコアとの相関について話してきましたが私の一番伝えたいことは「多読は本当の英語力を付けたいのであれば絶対にした方がいい!」です。最初はなかなか成果が表れませんし自分で本を買う場合はお金も結構かかってしまいますが、これから4年間の大学生活でなにか一つ頑張ることを見つけたい・ライフワークとして英語を勉強したい・洋書をカッコよく読みたいと考えている方は是非この記事を読んで多読を一緒にやってみませんか?

今後、私が実際に読んだ多読本やオススメの本、自分の好きな本を見つける方法などを紹介していこうと思います。